オーディオブックサービス、Amazon Audible(オーディブル)。
約12万の作品を聴き放題で聴くことができ、自動車での通勤中や家事をしているときでも小説を読んだり、ビジネス書から新たな知識を得たりできる便利なサービスですが、
- ナレーションは良いの?
- 読みたい本は豊富にあるの?
- 料金に見合う価値はあるの?
など、気になることは多いですよね。
そこで、今回の記事では、巷でよく聞かれるオーディブルの評判について、私が1年間オーディブルを利用してきた経験をもとに検証した上で、お話ししたいと思います。
大きく6つのポイントに分けて、良い評判も悪い評判も含めて、細かな部分もまじえながら役立つ情報をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
オーディブルの主な評判
まず、巷でよく聞かれるオーディブルの良い評判、悪い評判についてまとめてみました。
まず、良い評判については、主なものは👇です。
- 俳優・声優が良い
- 作品の数が多い
- 目が疲れない
- 本に触れる機会が増える
- 時間が有効活用できる
一方、悪い評判については、主なものは👇です。
- ナレーションが作品に合わない
- 聴きたい作品がなくなってくる
- 活字がない
- 内容が頭に入ってこない
- 月額料金が高い
これらの評判について、約1年オーディブルを利用してきた経験をもとに、私が感じることをお話ししていきたいと思います。
オーディブルの評判を検証
ナレーションについて
まず、オーディブルのナレーションについてお話しします。
「俳優・声優が良い」という声がある一方で、「ナレーションが作品に合わない」という声もありますが、実際のところ、どうなのでしょうか。
これについては、ナレーションが良い作品が多いが、一部イメージに合わないと感じる作品もある、というのが私の感想です。
オーディブルはナレーションに力を入れていると言われており、実際、ナレーターは有名俳優や人気声優など、豪華なラインナップとなっていますが、もちろん、全ての作品のナレーションが最高なわけではなく、また、人がその作品に対して持つイメージはさまざまですから。
まず、オーディブルのナレーターをされている俳優について、村上春樹さんの作品から例を挙げると、👇です。
- ねじまき鳥クロニクル
- 藤木直人
- 海辺のカフカ
- 木村佳乃
- 騎士団長殺し
- 高橋一生
- 1Q84
- 杏、柄本時生
- ノルウェイの森
- 妻夫木聡
特に村上春樹さんの著書は、19冊が聴き放題で聴けますし、ナレーターをされている俳優陣も豪華です。
次に、声優について一例を挙げると👇です。
- 斎藤壮馬(「るろうに剣心」緋村剣心役)他
- 「穏やか貴族の休暇のすすめ」(著者:岬)
- 櫻井孝宏(「鬼滅の刃」冨岡義勇役)他
- 「墨のゆらめき」(著者:三浦しをん)
- 高山みなみ(「名探偵コナン」江戸川コナン役)他
- 「モモ」(著者:ミヒャエル・エンデ)
- 野沢雅子(「ドラゴンボール」孫悟空役)他
- 「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」(著者:斎藤惇夫)
- 日高のり子(「タッチ」浅倉南役)他
- 「星の王子さま」(著者:サン=テグジュペリ)
こちらも有名な声優の方が揃い踏みですね。
一方、やはり、中には作品と朗読が合わないと感じるときもあります。
これは、小説に多いです。ビジネス書もそうですが、特に小説の場合、棒読みというわけにはいきませんので、ある程度感情を込めて朗読することになりますが、これが、その作品に対する自分の世界観と一致しなかったとき、違和感を覚えるときがあるんですよね。
また、少し細かい話ですが、特に男性のナレーターが女性の役柄の声も担当するときに、そのしゃべり方が気になることがあります。これはある程度仕方がないことなのかもしれませんが、私がオーディブルを利用している中で特に気になるポイントです。
ただ、一部このように作品と朗読が合わないと感じたり、違和感を覚えたりすることがありますが、それでも全体的に、感覚的には8割以上の作品はナレーションは良いと思います。
また、中には、オーディオファースト作品と呼ばれる、オーディブルで先行配信された後書籍が刊行される、という作品もあります。この場合、先にオーディブルで作品の世界観が形作られるため、それだけナレーションには自信を持っているということでしょうか。
なお、オーディオファースト作品「墨のゆらめき」(著者:三浦しをん)を聴いた感想は👇です。
三浦しをん「墨のゆらめき」をAmazon Audibleで聴いたら最高だった
作品数について
次に、オーディブルの作品数についてお話しします。
「聴き放題対象作品数が多い」という声がある一方で、「長く聴いているとだんだん聴きたい作品がなくなってくる」という声もありますが、実際のところ、どうなのでしょうか。
これについては、ジャンルを限定しなければ、聴ける作品は多いというのが私の感想です。
まず、オーディブルの聴き放題対象作品数は、約12万冊です。
そのうち日本語対象作品数は約2万ですが、それでもかなりの数ですね。
どんな本が聴けるの?
まず、小説で言えば、先ほどお話しした、村上春樹さんの著書19作品の他、👇のような作品が聴き放題で聴けます。
- 池井戸潤さんの著書:33作品
- 「半沢直樹シリーズ」5作
- 「下町ロケットシリーズ」4作 他
- 「ハリーポッター」シリーズ
- 第1作「賢者の石」~第7作「死の秘宝」
- 高殿円さんの著書
- 「トッカン」シリーズ全4作
- 「上流階級」シリーズ1~3巻
なお、池井戸潤さんの著書33作品と感想については、👇でまとめています。
【2024年版】半沢直樹だけじゃない!オーディブルで聴ける池井戸潤33作品と感想
また、ビジネス書で言えば、👇のような作品が聴き放題で聴けます。
- 「夢をかなえるゾウ」シリーズ 全5作
- メモの魔力
- デール・カーネギーの人を動かす方法
- ジェイソン流お金の増やし方
- GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代
このように、有名な著書を含めた多くの本が読める一方で、特定のジャンルに絞って検索した場合、あまり多くの作品が該当しない可能性があります。
たとえば、私がこのブログなどの関連で興味を持って検索したワードと、該当して聴いてみた作品は👇です。
- 検索ワード;「文章術」
- 「人を操る禁断の文章術」メンタリストDaiGo
- 「20歳の自分に受けさせたい文章講義」古賀史健
- 検索ワード:「スーツ」
- 「一流の男だけが知っている賢いスーツの買い方」しぎはらひろ子
- 「装いの影響力 15000人のエリートを指導してわかった」末廣徳司
他にも作品はありますが、関連性が高く、かつ、ある程度の評価数がある作品に限れば、各ジャンルごとでそこまで多くの作品は該当しないことが多いです。
ですので、ジャンルを絞らなければ多くの作品が聴けますが、特定の作家の小説が好き、特定のジャンルの本が読みたい、などの場合は、利用期間が長くなるにつれて聴きたい作品が減ってくるかもしれません。
もっとも、聴きたい本がなくなったときはいつでも解約できますし、オーディブルは30日間の無料体験期間がありますから、もし合わないと感じたときは、30日以内に解約すればお金がかからないこともオーディブルが始めやすい理由の1つですが。
読むと聴く、それぞれのメリットデメリット
次に、本を読むこととオーディブルで聴くこと、それぞれのメリット・デメリットについてお話しします。
「目が疲れない」という声がある一方で、「活字がないことが残念」という声もありますが、実際のところ、どうなのでしょうか。
これについては、どちらもそのとおりで、目が疲れないことはメリットだが、一方で活字はほしい、というのが私の感想です。
まず、オーディブルでは、本を読んでくれるため、目が疲れないことは大きなメリットです。
- 仕事で目が疲れているのに、通勤時間まで本を読みたくない
- 最近、年齢的に長時間本を読むことが難しくなってきた
こんなときに、「聴く読書」オーディブルなら、目に負担をかけずに読書ができます。
一方、活字がないことはオーディブルの残念なポイントです。
活字があると、パラパラめくって読み返したり、ポイントをメモしたりしやすいのですが、オーディブルには活字がついていないため、そういった活用はできません。これについては、今後の仕様変更を期待したところです。
ただ、オーディブルは、再生速度を「0.5倍~3.5倍」の範囲で、0.05刻みで細かく調整できますので、本ごとの理解度などに応じて再生速度を変えることによって、ある程度調整することはできます。
たとえば、最初は倍速設定を上げて概要を押さえた後、倍速設定を少し落として2回目を聴いたり、本の最初と最後は倍速設定を上げて流して聞いて、真ん中の本題部分は倍速設定を落としてゆっくり聴いたり、というような感じですね。
本に触れる機会が増える
次に、「本に触れる機会が増える」という声に関してですが、これについてはまさにそのとおりで、本に触れる機会は確実に増えます。
というのは、読書を始めるハードルが下がるからです。
ハードルが下がる?
家で読書をしていると、そもそもテレビやスマホなど誘惑がたくさんありますので、特に読書週間があまりなければ、ビジネス書などを開くまでに時間がかかったりしますよね。
その点、オーディブルは「ながら」で聴くことが多いですし、たとえば車の運転中などはそもそも暇ですから、運転を始める前にとりあえずオーディブルを再生するというのが簡単に習慣化できます。
そのため、読書を始めるハードルがとても低くなります。
また、家で読書している場合は、来客や用事など何かがあって中断しなければいけないこともよくありますが、たとえば車の運転中であれば、基本的に何かで中断されることがありませんから、集中力も途切れません。
そのため、オーディブルを「ながら時間」に活用すると、本に触れる機会も、時間も、確実に増えます。
内容が頭に入ってこない
次に、「内容が頭に入ってこない」という声に関してですが、たしかに、オーディブルを聴いていて、内容が頭に入ってこないと感じることはあります。
これについては、主に次のような理由があると思います。
- そもそも「ながら」で聴いているから
- 悩みや気になることがあるから
- 自分のペースで読めないから
- 本の内容が難しいから
- 「聴く読書」に慣れていないから
- 本のイメージと朗読が合わないから
順番に解説していきます。
そもそも「ながら」で聴いているから
オーディブルが頭に入ってこないと感じる理由の1つ目は、「そもそも『ながら』で聴いているから」です。
オーディブルは、運転中や家事をしながらなど、いわゆる「ながら」で聴く場合が多く、その場合、集中して読書しているのと比べて当然集中力は落ちます。
ですので、そもそも「ながら」で聴く場合は、集中力が落ちて頭に入りにくくなるということを理解することも必要です。
悩みや気になることがあるから
オーディブルが頭に入ってこないと感じる理由の2つ目は、「悩みや気になることがあるから」です。
悩みごとなどがあるときは、オーディブルに限らず、人と話していても上の空だったりして、話が入ってこなかったりしますよね。
ですので、悩みや気になることがあるときの対策は、無理にオーディブルを聴かないことです。
音楽を聴くことなどがおすすめです。
自分のペースで読めないから
オーディブルが頭に入ってこないと感じる理由の3つ目は、「自分のペースで読めないから」です。
自分のペースで読めない?
たとえば、ビジネス書の内容について分からないところがあったときに、「つまりどういうこと?」などと考えているあいだにも話はどんどん進んでいきます。そうなった場合、どこまで戻せばいいか分かりにくく、結局あいまいなまま聴き続けると、その後の話の理解が難しくなったりします。
そんなときは、理解度に合わせて再生速度を変えるなどして一定調整することができます。
なお、おすすめの再生速度については👇で解説しています。
【何倍速が最適?】オーディブルを1年利用してたどりついた理想の再生速度
本の内容が難しいから
オーディブルが頭に入ってこないと感じる理由の4つ目は、「本の内容が難しいから」です。
もっとも、これはオーディブルが頭に入りにくいということではなく、そもそも本自体の問題ではあるのですが。
ただ、先ほどお話ししたとおり、特に「ながら聴き」であれば、その分理解度は落ちますので、難しい本はある程度集中して聴くことが必要です。
聴く読書に慣れていないから
オーディブルが頭に入ってこないと感じる理由の5つ目は、「聴く読書に慣れていないから」です。
読むのが好きか、聴くのが好きかなどにもよりますが、「聴く読書」に慣れないうちは、特に長時間聴いているとだんだん内容が頭に入ってこなくなってくるかもしれません。
そんなときは、とにかく疲れたら休憩することが大切です。そのうちに慣れてきますから。
本のイメージと朗読が合わないから
オーディブルが頭に入ってこないと感じる理由の6つ目は、「本のイメージと朗読が合わないから」です。
上でもお話ししましたが、特に小説の場合、自分の中で描く世界観と、そのナレーターの朗読が合わないと感じるときがあり、そんなときは少し話の内容が頭に入りにくいときがあります。
これは、「聴く読書」オーディブルというサービスの特性ですので、割り切って本を選ぶことも必要です。
なお、オーディブルが頭に入ってこないと感じる6つの理由については、👇で詳しく解説しています。
費用対効果
「時間が有効活用できる」という声がある一方で、「月額料金が高い」という声があります。
オーディブルの月額料金は1,500円ですが、これが高いか安いかというのは、費用対効果で考えるべきものだと思いますし、「時間が有効活用できる」というのは、今までお話ししてきたような内容を含む、オーディブル最大のメリットだと私は思っています。
ですので、最後にこの2つを比較して、オーディブルの費用対効果について考えてみたいと思います。
まず、1,500円で何ができるかについて、一例を挙げると👇です。
- 缶コーヒー(150円)×10本
- コンビニスイーツ(300円)×5個
- 昼に外食(750円)×2回
こう考えてみると、1,500円でできることは意外に限られていますし、映画のチケットも買えません。
次に、オーディブルで得られる効果である、時間の有効活用について考えてみたいと思います。
上でも少しお話ししてきましたが、オーディブルの最大の魅力は、「ながら時間」を活用して、本を読める(聴ける)ことです。
そして、作品を聴き終わるまでにかかる時間は、もちろん本や倍速によりますが、だいたい小説で1冊8時間、ビジネス書で4時間ぐらいです。
そうすると、1か月に聴ける作品数の目安は👇です。
- 20時間
- 小説:2~3冊、ビジネス書:5冊
- 40時間
- 小説:5冊、ビジネス書:10冊
仮に、月に20時間しか使えないとしても、ビジネス書であれば5冊は聴けますし、たとえば通勤時間が20時間(1時間×20日)あれば、日々家事や散歩などのながら時間を活用して、月に40時間近くまでもってくることができるのではないでしょうか。
月に40時間あれば、小説なら1冊300円、ビジネス書なら1冊150円で読めますね。
ですので、月額料金が高いか安いかは、オーディブルの利用時間により決まってきます。
なお、オーディブルのコスパについては、👇で詳しく解説しています。
オーディブルの評判まとめ
以上、オーディブルの評判について、私が1年間オーディブルを利用してきた経験をもとに検証した内容をお話ししました。
今回の記事の内容を簡単にまとめると、👇です。
- ナレーションについて
- 8割以上の作品は良い
- 作品数について
- ジャンルを絞らなければ豊富
- 目を疲れさせずに読書できる
- 活字はないが、倍速で調整可能
- 本に触れる機会が増える
- 「内容が頭に入らない」のか
- 入らないときもある
- ただし6つの理由と対策あり
- 費用対効果
- 1か月の利用可能時間による
- 20時間未満ならば低い
- 40時間以上ならば高い
多くの作品が聴き放題で提供されるオーディブルは、自動車での通勤中や家事の時間などを活用して、小説に触れたり、知識を得たりできるため、「ながら時間」を活用したい人や、読書を趣味にしたいが時間を確保できない人に最適なサービスです。
また、ナレーターには有名俳優・人気声優なども多数含まれており、その他全体的に質の高いナレーションが楽しめることも魅力の1つです。
一方で、一部自分の世界観に合わないナレーションがあったり、ジャンルを絞ると聴きたい本が少なかったりすることもあります。
そして、利用料金に対する価値は1か月に利用できる時間などによって変わってきますが、少なくとも1か月に20時間以上、できれば40時間以上あれば確実に、費用対効果が高いと言えます。
オーディブルは30日間の無料体験ができますので、最終的には実際に体験された上でオーディブルを始めるかどうか、考えてみてください。もし合わないと感じたら、30日以内に解約すればお金はかかりませんから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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