就職活動の面接対策を始めるときに行う自己分析。
自分の過去を振り返り、自分のことを理解する。言葉にすれば簡単ですが、自分のことは意外と分かっていないものですよね。
本がおすすめだと言われますが、一口に自己分析の本と言ってもいろいろありますし。
そこで、この記事では自己分析におすすめの本を5冊紹介します。
5冊全て読んだ上で、私なりに理解した内容や感じたことについてまとめていますので、きっと参考にしていただける部分があると思います。
【9つの性格】
最初に紹介するのは、「9つの性格」(著者:鈴木秀子)です。
1997年に刊行され、シリーズ累計88万部と言われるベストセラーです。
本書では、最初に自分のタイプを想定するために9つのタイプに関する各20の質問にイエスかノーで答えます。そして、イエスの数の多さなどから、自分のタイプを想定していきます。
この本を読んで得られるのは、👇のようなメリットです。
- 「囚われ」(短所)を知ることで、自分にも人にも優しくなれる
- 他のタイプの良い面を知り、取り入れることでより良い状態を保てる
- いろいろなタイプの人がいて組織が上手く回ることが理解できる
なお、👆も含めた本書の内容については、👇の記事で詳しくお話ししています。
【自己分析の入門編としてお勧め】「9つの性格」エニアグラムで見つける本当の自分
「タイプ」を知ることが話の中心ですので、就職活動での本格的な自己分析にはなじまないかもしれませんが、自分がどのタイプに当てはまるか分かれば、強みや欠点が見つけやすくなりますし、読みやすいので、自己分析の入門編としてもお勧めの1冊です。
【さあ、才能(じぶん)に目覚めよう】
次に紹介するのは、「さあ、才能(自分)に目覚めよう」(日本経済新聞出版)です。
(注)必ず新本を購入してください(詳細は後述します)。
自分の強みを発見する、「ストレングス・ファインダー」(クリフトン・ストレングス)が受けられることで有名な1冊です。
本書を購入すると、「アクセスコード」が付いてきますので、まず、サイトにアクセスし、アクセスコードを使って「ストレングス・ファインダー」(クリフトン・ストレングス)を受けます(アクセスするサイトのURLも書かれています)。
その後、177の質問に直感で答えていきます(左右の文章のどちらに当てはまるかで段階に応じてチェックを入れる方式です)。所要時間は、30~40分です。
テストを終えると、「強みの洞察ガイド」が発行され、全34の資質の中から、その人の上位5つの資質が確認できます。各資質ごとの「強みの洞察」(あなたが卓越している点)の解説もついています。
その後、本書の各強みの該当箇所を読み、行動アイデアなど、より詳細な強みの活用方法を理解していくというのが流れです。
本書の特徴は、質問に直感で答えていくだけで、自分の強みが確認できる点です。「9つの性格」同様、就職活動での本格的な自己分析にはなじまないかもしれませんが、簡単に自分の強みが確認できる点は大きな魅力です。
なお、「アクセスコード」は一度しか使えませんので、「ストレングス・ファインダー」(クリフトン・ストレングス)を受けるために、本書は必ず新本を購入してください。
【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】
次に紹介するのは、【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】(著者:八木仁平)です。
本書は累計発行部数35万部(令和5年時点)のベストセラーです。
本書には、「やりたいこと」、「本当にやりたいこと」を見つけるための方法が体系立ててまとめられています。
公式で言えば、
- 好きなこと×得意なこと=やりたいこと
- やりたいこと×大事なこと=本当にやりたいこと
なのですが、その理由や、それぞれの見つけ方などについて分かりやすく解説されています。
なお、本書の内容については、👇の記事で詳しくお話ししています。
夢中な生き方を実践【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】(八木仁平)を書評
本書は、👇のように就活の面接でも活用できます。
- 好きなこと → なぜこの業界なのか?
- 得意なこと → どうやってこの仕事で成果を出すのか?
- 大事なこと → なぜこの会社なのか?
一方、本書では「短所を克服することをやめて長所を伸ばすこと」が推奨されています。これは著者の体験と理論に基づいているもので、もちろん一つの真実だと思うのですが。
ただ、こと就活の面接においては、短所についても聞かれる可能性があります。そのため、たとえ克服しないまでも、自分の短所を理解した上で、その短所への向き合い方は考えておく必要がありますが、その点については本書とは別に対策を立てておいたほうがいいと思います。
【絶対内定 自己分析とキャリアデザインの描き方】
次に紹介するのは、【絶対内定 自己分析とキャリアデザインの描き方】(ダイヤモンド社)です。
絶対内定は、1994年の創刊から20年以上のロングセラーで、現在も大学生協売上1位を誇っており、シリーズでの発行部数は230万部を超えている、ベストセラーです。
本書では、まず、「コア」(これからも追いかけたい人生のテーマ)を明確にするため、👇の3つの切り口で考えます。
- Being :どんな人間性の人になりたいか
- Having:手に入れたいものは何か
- Geving:社会にどのような影響を与えたいか
これらを見つけるために、👇の目的のために行うのが、「我究」です。
- 自分のコアの把握
- 望む未来の把握
- 等身大の自分の把握
- 自分の向上
そして、本音の思いの絵を描き、その上でその実現のための道筋を明確にしていきます。
そのためにワークシートに取り組むのですが、これがかなりの量で、ページ数で言えば170ページ以上あります。
しかし、取り組むことで感じることは必ずありますし、ワークシート以外にも、上でお話しした「コア」の話など、本書を読むだけでも得られるものが多い、まさに自己分析のための1冊です。
なお、本書の内容については、👇の記事で詳しくお話ししています。
「絶対内定 自己分析とキャリアデザインの描き方」で自分のコアを見つけよう
【メモの魔力】
最後に紹介するのは、【メモの魔力】(著者:前田裕二)です。
ベストセラーであると同時に、自己分析にお勧めの本としても有名ですね。
本書で取り上げられているのは「知的生産のためのメモ」です。
その知的生産のために必要になるのが「ファクト(事実) → 抽象化 → 転用」という流れ。
「What型」、「How型」、「Why型」の3類型を意識して、抽象化を行っていきます。
そして本書の後半では、その手法を、「メモで自分を知る」ために応用していくための手法について書かれています。
つまり、単にメモや抽象化の技法を学んでも、「自分が何をやりたいか」が明確でなければ意味がない。だから、「自分を串刺しにする本質的な人生の軸」を見つけること、それを「メモの魔力」によって解決していこうと。
そして、自己分析は、「形式」よりも「熱量」が大切との思いから、「自己分析1000問」が用意されています。
これに取り組む際、単に質問に答えていくだけではなく、一つひとつの答えに対して「抽象化 → 転用」していくことで、最大限の効果を発揮するのです。
というのは、就活の面接では、全ての質問に対して具体的な体験談を添えて話す必要がありますが、それをさらに掘り下げていき、抽象化していくことで、面接官に響く回答ができるようになるからです。
そのため、たとえ前述の「自己分析1000問」をやりとげられなかったとしても、この本を読んでおくことの意味はまさにそこ(抽象化の大切さを理解すること)にあるのではないかと思います。
そのような意味で、決して易しくはありませんが、読んで実践してみる価値がある、自己分析にお勧めの1冊です。
なお、本書の内容については、👇の記事で詳しくお話ししています。
【書評】「メモの魔力」は就活時の自己分析に最適?効果や難しさについて解説
まとめ
以上、就活の自己分析におすすめの本を5冊紹介しました。
5冊の内容を簡単にまとめると、下記のとおりです。
- 【9つの性格】
- 簡単に自分のタイプについて理解できる
- 本格的な自己分析には不向き
- 【さあ、才能(じぶん)に目覚めよう】
- 簡単に自分の強みが分かる
- 本格的な自己分析には不向き
- 【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】
- 「本当にやりたいこと」を体系立てて見つけられる
- 長所を伸ばすことに特化、短所への向き合い方は別に考える必要あり
- 【絶対内定 自己分析とキャリアデザインの描き方】
- 本質的な内容、読むだけで感じることが多い
- 我究ワークシートをやりきるにはかなりの忍耐力、努力が必要
- 【メモの魔力】
- 「抽象化」によって自分を掘り下げて理解できる
- 「自己分析1000問」をやりとげるにはかなりの熱量が必要
なお、この5冊のうち、【9つの性格】、【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】、【メモの魔力】の3冊はAudible(オーディブル)の聴き放題対象作品ですので、Audibleを利用していれば無料で聴くことができます。
Audibleは、会員になった後、最初の30日間は無料です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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