「全て第一志望?」就活の面接は嘘つき大会か【大切なものを失わないために】

  • 自己PRも志望動機も特になければ、適当に作ればいい
  • エピソードが弱ければ、話を盛ればいい
  • どの会社を受けても「御社第一志望」が常識でしょ?

しょせん、就活の面接は嘘つき大会

こんなことを言われるときがあります。

実際、働いたこともなく、その会社のこともよく知らないのに、志望動機と言ってもなかなか難しいですよね。

面接官に響くようなインパクトのある体験談がなければつい話を盛りたくなるのが人の心情ですし。

第一志望ではない会社から第一志望の会社を聞かれたときなど、回答に困るような質問もありますので、現実問題として、全ての嘘を否定するつもりはもちろんありません。

しかし、それでも面接での嘘はできる限り避けたほうがいいと私は思います。

理由は、きれいごと的な話ではなく、嘘をつくことで単純に自分が損をするからです。

今回の記事では、そんな、面接で嘘をつくことの是非についてお話ししたいと思います。

なお、この記事の本題ではないため割愛しますが、あらためてお伝えするまでもなく、学歴や資格など、事実に関する詐称は絶対にダメです。

どこかの地方公共団体で、本当は大卒なのに偽り、高卒の区分の試験を受けて採用されていたことが分かり、免職になったというニュースがありましたが、最悪このようなケースもあり得ます。

目次

回答内容を偽ることの是非

最初は、回答内容を偽ることの是非について考えたいと思います。

具体的には、自分に自信がなかったり、より良く見せようとするために、面接での質問への回答で、嘘の内容を答えてしまうことなどです。

これはやめておいたほうがいいです。理由は2つあります。

面接官に見抜かれる

理由の1つ目は、👇のような理由で面接官に見抜かれる可能性が高いからです。

  1. 見た目の印象と発言内容に乖離がある
  2. 面接全体として回答の一貫性に欠ける
  3. 深掘りされた質問に答えられない

まず、1についてですが、たとえば、「人と接することが好き」と言いながら、顔も上げずに下を向いて小さな声でしゃべっている人がいた場合、面接官は「コンプレックスの裏返し(本当は人と接することが苦手なのに、そう思われたくなくてあえてそう言っている)」と判断するかもしれません。

そうなってしまうと、その後の挽回はほぼ不可能です。

次に、2についてですが、面接で嘘をつくということは、つまり偽りの自分を伝えているわけです。

一方、面接では様々な質問がされます。中には想定していなかった質問もあるでしょう。

そのときに、自分が思ったことを話した場合、偽りの自分との整合が取れなくなることがあります。質問に真摯に答えていないと判断された時点で、その面接は終わりです。

そして、3についてですが、面接ではあらゆる質問に対して具体的な体験談をもって答える必要があります。

理由は、口では何とでも言えますし、たとえば、「私はとても好奇心が強い性格です。」とだけ答えても、具体性がなく、印象に残らないため、何の意味もないからです。

そこで仮に適当な体験談をでっち上げたとします。しかし、それに対して、

  • そのときにあなたが一番苦労したことは何ですか?
  • その経験からあなたが学んだことは何ですか?

など、深掘りされた場合に、実際に体験もしていないのに面接官を納得させられるような回答ができるでしょうか。

なお、面接の達人には、次のように書かれています。

リアリティのあるウソをつくためには、よほど綿密なデータの裏づけがなければならない。

これは、実体験するより難しい。

まず答える量の10倍や20倍の知識、下調べ、体験が必要であろう。

「面接の達人 バイブル版」著者:中谷彰宏

嘘をつくのも大変ですね。

企業とのミスマッチにつながる

理由の2つ目は、企業とのミスマッチにつながる可能性があるからです。

これについて、よくある志望動機にまつわる嘘について考えてみたいと思います。

志望動機なんて特にないんだけど?

実際に働いたこともなく、その会社のこともよく知らないのに、志望動機と言われても難しいですよね。

しかし、面接では全ての質問に対して自分をアピールできる内容で答える必要があり、これは志望動機についても同じです。つまり、志望動機を通じて自分をアピールするのです。

ですので、適当な志望動機を作ったとしても、それがその企業が行っている事業の大切さや将来性などに関する話であれば、本当か嘘か以前に、そもそも面接における志望動機として不適切です。理由は、自分をアピールできないからです。

自分をアピールするために、志望動機では、「私のこういうところを、御社のこういうところで活かしたい。」ということ、つまり、強みが活かせるということを伝える必要があります。

理由は、自分の強みを活かせることは、自分にとっても会社にとってもメリットが大きいからです。

なお、これについては、👇で詳しく解説しています。

【就職面接が苦手な方必見】面接官の心に響く、具体的な志望動機を作り上げる方法

これを前提として、仮に、たとえば就職後、接客が業務の中心となる会社の面接で、本当は接客が苦手なのに、「私は人と接することがとても好きな性格なので、御社の窓口業務で活かしたい」というような志望動機を答えたとします(極端な例ですが)。

もしそれが評価されて採用されたとしたら、就職後どうなるか、想像に難くありません。

そのような、企業とのミスマッチを防ぐという意味でも、嘘はつかないほうがいいです。

もちろん、上でお話ししたとおり、それ以前に、面接の時点で面接官に見抜かれる可能性も高いですが。

回答内容を盛ることの是非

次に、回答を盛ることについて考えてみたいと思います。

体験談を大げさにするというものですね。いわゆる「ガクチカ」などで多いと思いのではないでしょうか。

これも、基本的にはやめておいたほうがいいと思います。理由は、費用対効果が悪いからです。

私は当時これをやったことがあります。詳細は忘れましたが、アルバイトに関する質問をされたときです。

それに対して私は、飲食店でアルバイトをしていたときに、ゴールデンウィークでただでさえ繁忙期なのに、さらに人が減ったためにかなり忙しくなったということがありましたので、それを話そうと思いました。

ただ、それだけだとちょっとインパクトが弱いかなと思い、「連日午前2時、3時頃まで働き、睡眠時間を削って、ときには家に帰る時間もなく車の中で寝たりすることもあり・・・」というような話をしました。今考えても、非常に安直ですが。

面接官からは特にそれに関するコメントはありませんでした。中には、顔さえ上げてくれない人もいました。

ただ、当時、実際にかなり厳しい状況であったことは事実でした。その中で、夜遅くまで仕込みをしていて、社員の方に「もう遅いから先に帰っていいよ」と言われたとき、疲れていたけれど、先に帰るのが忍びなく、最後まで一緒に働いたこと、昼休憩の時間もほとんど取れず、ホール担当の人が楽しそうに談笑している中で、5分ぐらいでとにかく食事をかきこんですぐに仕事に戻らなければならなかったこと、そんな状況が何日も続いて本当につらかったけれど、だからこそ一体感と関係性が深まり、やめた今でも当時の社員の方と付き合えていることなど。

今は思います。もしそのエピソードを面接で回答する内容として選ぶのであれば、話を盛らずに、ありのまま、当時自分が感じたこと、厳しい状況で心が折れそうな中でも心掛けたこと、その中で得たものなどを正直に話せばよかったと。

結局、話を大げさにしてしまったことで、信ぴょう性が失われ、伝わったかもしれない自分の思いまで無駄にしてしまいました。

私が費用対効果が悪いと言うのは、嘘をつくことで得られるものは少ないのに、失うものは多いという意味です。

全て「第一志望」の是非

次に、第一志望ではない会社の面接で、第一志望はどこかと聞かれた場合の答え方について考えたいと思います。

よくある質問ですが、何と答えるべきか、悩みますよね。

これについて、まず、面接の達人には次のように書かれています。

どこへ行っても「御社第1志望」で押し通せばいい。

たとえ第1志望でなくて、第27志望でも、「御社第1志望」と真顔で言えるようでなければ、サラリーマンは務まらない。

「面接の達人 バイブル版」ダイヤモンド社

これは1つの事実だと思います。

サラリーマンとして、というのもありますし、実際に第27志望だった場合にその事実を告げれば、おそらく面接官は気を悪くしますし、間違ってもいい気はしません。そのように、社交辞令のような観点からも考える必要があります。

一方で、第一志望だというからには、少なくともその理由は必要です。第一志望の具体的な理由を聞かれたときに言葉に詰まってしまったら、嘘がバレてしまい、まさに印象は最悪ですから。

なお、絶対内定には、次のように書かれています。

社会に出て、本当に活躍している人は例外なく、就職活動で調子のいいウソなどついていなかった。「実は、他にも興味がある会社があります」と堂々と伝えられた人である。

「絶対内定 自己分析とキャリアデザインの描き方」ダイヤモンド社

言い方を考えるなど、面接官への配慮は必要ですが、最終的には第一志望かどうか(本人が第一志望と答えるかどうか)というのは内定の決定打にはならないのかもしれません。

もちろん、会社として内定者が辞退することは避けなければいけませんが、そもそも「御社第一志望」と言う就活生は多く、その中で👆のように正直な思いを口にできる人は、きっと光る存在となるはずですから。

まとめ

以上、就活の面接で嘘をつくことの是非についてお話ししました。

第一志望かどうかなど、答え方の判断が難しいケースもありますが、基本的には、冒頭お話ししたとおり、面接ではできる限り嘘はつかないほうがいいというのが私の思いです。理由は、きれいごと的な話ではなく、単純に自分が損をするからです。

最後に、絶対内定の言葉を引用して、終わりたいと思います。

ウソをついてしまうと、大切なものを失ってしまう。結果として、就職活動もうまくいかない。

就活以前に、そんな人間できみはいいのか。

「絶対内定 自己分析とキャリアデザインの描き方」ダイヤモンド社

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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