リクルートスーツも含めたビジネススーツには色とか柄とかいろいろあって、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
さらに、スーツだけではなく、ワイシャツとか靴とかいろいろありますし。
スーツを正しく着こなせているのかどうか、自信が持てない方は多いのではないでしょうか。
しかし、ビジネススーツにはその選び方や着こなしに明確なルールがありますので、基本的なルールさえ理解しておけば大丈夫です。
そこでこの記事では、初心者でもスーツのルールを効果的に学べるお勧めの本5冊をご紹介します。
それぞれの本の概要や特徴などを解説しますので、ご自身に合った一冊を見つけ、スーツ選びの不安を解消してください。
「世界一簡単なスーツ選びの法則」MB
おしゃれに必要なのは、センスでもお金でもありません。ルールを理解することです。
「世界一簡単なスーツ選びの法則」MB
そんな考え方を基本に、「80点くらい取れるスーツ姿」を目指して書かれているのが本書です。
著者のMBさんは、メンズファッションのバイヤーであり、ブログやYouTubeでもファッションについて発信されている方です。
そんな著者が本書に込めたのは、次のような思いです。
- おしゃれがよく分からない人が、
- お金も時間もかけずに、
- スーツをしっかり着こなして、
- 自分に自信を持ち、人生を変えること
スーツには明白なルールがあり、かつ、見た目は即効性が高いため、ルールさえ理解しておけば、手間をかけずに80点くらい取れるスーツ姿を手に入れ、自分を変えることができるということです。
本書の中で、私が特に役立つと感じたのは、「スーツをおしゃれに着る7つのシンプルルール」です。
とにかくシワが入らないものやダークトーンのものを選ぶこと、適切なサイズ感など、スーツのポイントが簡潔にまとめられ、かつ、「世界一簡単なスーツ選びのひと言」(「ダークカラーのスーツを探しているのですが、おすすめの色はなんでしょうか?」など)も添えられているため、店頭でのスーツ選びが(気分的にも)かなり楽になると思います。
また、前述のような趣旨から、初心者にも分かりやすく書かれており、作中、重要な箇所には太字に加えてマーカーが引かれているなど、ブログのような装飾であることも含め、とても分かりやすい1冊です。
「世界で闘うためのスーツ戦略」井本拓海
これさえ読めば、センスなし、お金なし、時間なしで、誰でも世界で十分に闘えるスーツスタイルを創り上げることができるようになる。
「世界で闘うためのスーツ戦略」井本拓海
著者の井本拓海さんは、各国の官僚や経営者との仕事(国際協力事業)を通じ、適切なスーツスタイルを身につけなければビジネスマンと見なされないことを痛感し、以後、スーツの着こなしを研究されています。
そんな著者が本書で提唱しているのは、大きく次の3点です。
- ルールに則った着こなし
- どこでも通用するオーソドックスな商品選択
- ミニマル志向=買い揃える数とその理由の明確化
本書を読んで特に私が感じたのは、著者のゆるぎない信念です。
たとえば、次のような記述が出てきます。
「選んだ全てのものについて、理由を述べることができるか?」
「今流行っているんで」という回答が許されるのは、20歳に満たない子供だけだ。
「世界で闘うためのスーツ戦略」井本拓海
この言葉に代表されるように、本書では、たとえばシャツであれば、素材はコットン100%、色はサックスブルー、ポケットは不要など、選ぶべき内容に、全て(著者がそのように思う)明確な理由が添えられています。
上の例で言えば、アイロンがけの手間を減らすことを優先させて化学繊維を選んではならないなど、少し厳しいように思われる内容も含まれていますが、明確に書かれているため、信じて取り組んでみる価値がある1冊だと思います。
「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」山本晃弘
男性ファッション誌の編集者を30年以上、2008年からは「アエラスタイルマガジン」の編集長としてスーツの着こなしを提案してきた著者、山本晃弘さんが、ため込んできたものをシェアしたいと考え、執筆したのが本書です。
本書の特徴は、一つひとつの話が読み切り型になっていることです。
最初は、スーツの基本的なルールから始まります。たとえば、下記のような内容です。
- ブラックスーツが許されるのは就活性だけ
- ベルト、靴、鞄は黒か茶色で色を揃える
その後、章が進むと、着こなし以外の内容にも発展します。たとえば、下記のような内容です。
- 直筆の令状を「さっと」書ける人になりたい
- エレベーターのマナーと挨拶について
さらに後の章では、アンケートの結果を踏まえた内容や、世代別のお悩みへの回答なども掲載されています。
また、前述のような経験をもとに、各内容に明確な根拠を持って語られているのが印象的です。特に、「パンツの裾はダブルかシングルか?」では、セミナーでの質問に対して、シングルが基本であるとしつつ、過去の歴史にまで遡り、現在はダブルがふさわしいとする根拠を導くまでの明快な理由が述べられており、圧巻でした。
このような、経験に裏打ちされた内容に加えて、基本的に全て読み切り型であることなど、読みやすさも兼ね備えた、おすすめの1冊です。
「35歳までに知っておきたいスマートスーツ」木村公一
僕は常々「何を着るか悩む」よりも、まずは「スーツのルールを知る」ことから始めることをおすすめしています。
ルールを知ることで、自ずと選択肢の幅は狭まり、自分のスタイルが見つけやすくなるものです。
「35歳までに知っておきたいスマートスーツ」木村公一
モデルという職業に就いて約25年間(本書執筆当時)、服を着るプロとして仕事をしてきた著者、木村公一さんが、若い頃に経験して得た「見た目が変わると、周囲に変化が訪れ、やがて自分のモチベーションも環境も変わっていく」という教訓を活かしてほしいと思い、執筆したのが本書です。
そんな著者が本書で提唱しているのは、次のような内容です。
- ルールを着ること
- 真似ること
基本ルールだけを覚えて、あとは身近な人やショップの店員さん、有名人などを真似るだけで、十分お洒落になるということです。
本書から伝わってくるのは、著者のお洒落への熱い思いです。スーツに関する個々のルールについて細かく記述されている上に、スーツに留まらない、一般的な見だしなみなどについてもその思いが語られており、モデル兼役者として長年活躍されているというのがよく分かります。
2013年に発行された本書ですが、書かれている基本的な内容は、現在でも色あせることなく通用すると思いますし、また、基本読み切り型のため、読みやすい1冊だと思います。
「ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる」木暮桂子
- 人は「見た目」で判断されている
- 最初の印象が悪ければ、中身で勝負するチャンスさえ得られないこともある
いきなり厳しい言葉が並びますが、設立した会社の代表取締役として、ファッションを中心に、プレゼンテーションや話し方、接遇、マナーまで幅広くクライアントに伝えている著者、木暮桂子さんは、ビジネスアピアランス(ビジネスをする上での見た目)の大切さを実感し、それを伝える一環として本書を執筆されています。
本書で特に重視されていると私が感じたのは、「印象」です。相手にどのような印象を与えるか、から具体的な着こなしが逆算されているイメージで、例えばスーツの色であれば、紺を基本としつつ、やさしさや協調性を強調したいときにはグレー、といったような感じです。そのような目的で、本書の具体的な話はネクタイから始まります。ネクタイにより、与える印象はがらりと変わるからです。
それとは別に感じるのは、ルールへの強い思いです。たとえば、ボタンダウンという襟の先がボタンで留まっているシャツがあります。これについては、カジュアルなため、一般的なビジネスシーンには不向きとしつつ、ネクタイを外したり、第一ボタンを外したりする際に襟の収まりがよいため、クールビズ期間中は例外的にOKとする本が多い中で、本書では、それも含めて「おすすめできない」という結論で締めくくられています。
今回紹介している本の中では硬めですが、その分ルールの基本を理解できますし、見た目や印象を変えるための具体的な方法(ネクタイの色、柄など)が紹介されているため、持っておきたい1冊だと思います。
スーツのルールが勉強できるおすすめの本のまとめ
以上、スーツの選び方や着こなしなどのルールを理解するのにお勧めの本5冊を紹介しました。
今回紹介したのは、下記の5冊です。
- 「世界一簡単なスーツ選びの法則」MB
- 「世界で闘うためのスーツ戦略」井本拓海
- 「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」山本晃弘
- 「35歳までに知っておきたいスマートスーツ」木村公一
- 「ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる」木暮桂子
著者の思いや、硬さなどはさまざまですが、「スーツはルール」と言われるとおり、細かな違いはあっても基本的な内容は共通している部分が多いため、まずはお好きな1冊を選んでみてください。
それぞれの書籍には、スーツの基本的な選び方や、着こなし方などが詳しく解説されていますので、読めば、きっとスーツを身に着ける際の自信が格段に上がるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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