【２０２４年版】半沢直樹だけじゃない！オーディブルで聴ける池井戸潤３３作品と感想

半沢直樹シリーズで有名な、池井戸潤さんの小説。

「倍返し」に代表されるような痛快なお仕事小説が中心の、魅力的でおすすめな作品ばかりですが、買って読むとなるとなかなか時間もお金もかかって大変ですよね。

でも大丈夫です。Ａｍａｚｏｎ Ａｕｄｉｂｌｅ（オーディブル）なら、池井戸潤さんの小説３３作品が聴き放題で聴けますから。

今回の記事では、オーディブルで聴ける、池井戸潤さんの小説３３作品の一覧や、主要な作品の概要、感想などについてまとめてみました。

私はオーディブルを約１年間利用していますので、実際に対象の作品を聴いてみた感想などを含めてお話ししていきたいと思います。

オーディブルで聴ける池井戸潤小説３３作品の概要（一覧）

まず、オーディブルで聴き放題で聴ける池井戸潤さんの小説３３作品をまとめると、👇です。

ほとんど読めるのか・・・。
ドラマ化の割合がすごいな。

以下、順番に見ていきます。

オーディブルで聴ける「半沢直樹」シリーズ

堺雅人さん主演、「倍返し」でお馴染みの、言わずもがなの大ヒットドラマですね。

「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」が１回目のドラマの原作となり、「ロスジェネの逆襲」と「銀翼のイカロス」が２回目のドラマの原作となりました。

その後、（半沢直樹の時代的には）逆戻りしますが、「アルルカンと道化師」が発売されています。

一覧にまとめると👇です。

評価が全て４．８以上・・・。

なお、ナレーターは、全て吉田健太郎さんです。

私は５冊全て本で読み、また、ドラマも（２回目だけですが）見ていましたので、内容は熟知していましたが、それでも、オーディブルで聴いてみて、あらためて半沢直樹の面白さを感じました。

それは、やはり朗読によって形作られるオーディブルならではの世界観です。

聴いてみて、本作のナレーターである吉田健太郎さんの朗読は安定しており、かつ、感情の入れ方も上手いと感じました。

特にこのシリーズは、半沢直樹の他にも銀行内部・外部を含めて、激昂するなど感情的なセリフが多いですから、作風ともマッチしていると思います。

実際、上の表のとおり、半沢直樹シリーズはナレーションの評価が４．８以上となっており、評価が高いです。

なお、吉田健太郎さんが演じる半沢直樹のしゃべり方は堺雅人さんをイメージされているように感じました。ですので、ドラマを見られた方はそのイメージのまま違和感なく聴けると思います。

正しいことを正しいと言えること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。

ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される。そんな当たり前のことさえ、今の組織はできていない。だからダメなんだ。

「ロスジェネの逆襲」著者：池井戸潤

オーディブルで聴ける「下町ロケット」シリーズ

阿部寛さん主演、こちらも高視聴率を叩き出した下町ロケットシリーズです。

「下町ロケット」と「下町ロケット２ ガウディ計画」が１回目のドラマの原作となり、「下町ロケット ゴースト」と「下町ロケット ヤタガラス」が２回目のドラマの原作となりました。

なお、「下町ロケット」は、２０１１年にＷＯＷＯＷでも三上博史さん主演でドラマ化されています。

一覧にまとめると👇です。

本作のナレーターは、「下町ロケット」と「下町ロケット２ ガウディ計画」は平川正三さんで、凛と響き渡るようなイメージの朗読はとても聴きやすいです。

上の表でも、ナレーションの評価は４．８と４．９であり、高く評価されていることが分かります。

一方、「下町ロケット ゴースト」と「下町ロケット ヤタガラス」のナレーターは谷田歩さんです。

谷田歩さんは、下町ロケットの唐木田部長役をされていた方です。ドラマを見られた方は、きっと顔を見れば分かると思います。

谷田歩さんの本作の朗読は、平川正三さんとは打って変わり、少し低く静かな語りが特徴です。ただ、ゴーストとヤタガラスは復讐などやや重いテーマも絡んでいますので、そのような点で世界観にも合っているのかもしれません。

カネの問題じゃない。

これはエンジン・メーカーとしての、夢とプライドの問題だ。

「下町ロケット」著者：池井戸潤

オーディブルで聴ける「花咲舞が黙ってない」シリーズ

自分が正しいと思うことを主張する花咲舞と、その上司、相馬健とのコンビの活躍を描いた痛快劇。

杏さんと上川隆也さんが主演のドラマ、「花咲舞が黙ってない」。こちらもヒットしましたね。

原作の「銀行総務特命」、「不祥事」の他、その名のとおり「花咲舞が黙ってない」、「犬にきいてみろ」、「神保町奇譚」などが関連作品です。

一覧にまとめると👇です。

「犬にきいてみろ」は杏さんの、「神保町奇譚」は上川隆也さんの、それぞれの朗読で聴けます。

ただ、私が思うオーディブルの永遠の課題ですが、違う性別、特に男性が女性の声も担当することは本当に難しいです。

本作は、特に花咲舞の活躍が話の中心のため、上川隆也さんの（神保町奇譚の）ナレーションの評価は少し低くなってしまったのかもしれません。

なお、杏さんのナレーターの評価も同じ４．２ですが、こちらは私はあまり気になりませんでした。

あんたみたいな勘違いした銀行員がいるから、世の中の人から銀行が誤解されるのよ。目を覚ましなさい！

「不祥事」著者：池井戸潤

オーディブルで聴ける池井戸潤小説その他主要作品

その他、主要な作品をいくつかご紹介します。

空飛ぶタイヤ

走行中のトレーラーのタイヤが外れ歩行者の母子を直撃した。車両の製造元であるホープ自動車が出した結論は、「運送会社の整備不良」。納得できない運送会社社長・赤松徳郎は、真相を究明しようとする。

赤丸の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況に陥るが…..！？

「空飛ぶタイヤ 上（サマリー）」オーディブル

上下巻合わせて約２０時間の長編小説で、２００９年にＷＯＷＯＷでドラマ化、２０１８年に長瀬智也さん主演で映画化されています。

本作の映画で刑事役もされている本作のナレーター、高川裕也さんのナレーションの評価は４．８～４．９と高い評価です。

初めて聴いたとき、低く重く響くようなナレーションは、正直そこまで高評価かな、と最初は思いました。

しかし聴いていくうちに、終始不穏な空気が流れる本作の世界観に合っているし、特に重要な局面で感情に訴えかけてくるような力強さがある、いいナレーションだなと感じるようになりました。

七つの会議

きっかけはパワハラだった。万年係長がエリート課長を社内委員会に訴える。しかし役員会が下したのは、不可解な人事。二人に何かあったのか。この会社には何が起きているのか。

夢は捨てろ。会社のために、魂を売れ。”働くこと”の意味に迫る、傑作クライム・ノベル！

「七つの会議（サマリー）」オーディブル

２０１３年にＮＨＫでドラマ化、２０１９年に野村萬斎さん主演で映画化されています。

映画を見たとき、香川照之さん、及川光博さん、片岡愛之助さん、北大路欣也さんなど、ドラマ半沢直樹と同じキャストの多さにびっくりしたのを覚えています（笑）

もちろん主役は違いますし、個人的にはオリエンタルラジオの藤森慎吾さんなどもはまり役だったなと思っていますが。

そんな「七つの会議」のナレーターは、平川正三さんです。

下町ロケット（１、２）と同じ、安定したナレーションで、ナレーションの評価４．７は十分高いですが、もっと高くてもいいような気がします。

陸王

埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、足袋作り百年の老舗。日々資金繰りに頭を悩ませる宮沢社長は、足袋製造の技術を生かしたランニングシューズの開発を思いつく。

伝統と情熱、そして仲間との強い結びつきで、こはぜ屋一世一代の大勝負に打って出る！

「陸王（サマリー）」オーディブル

２０１７年にＴＢＳで役所広司さん主演でドラマ化された、本作。

ランニングシューズ「陸王」の開発にかける想いはもちろんですが、竹内涼真さんと佐野岳さんが競って走るシーンが印象的でした。

そんな本作「陸王」のナレーターは、高川裕也さんです。

「空飛ぶタイヤ」と同じ低く響く朗読ですが、空飛ぶタイヤよりはやや明るく、また、ナレーション部分と登場人物の声とがはっきり演じ分けられており、評価の平均も４．８と高い水準です。

アキラとあきら

零細企業の息子・山崎瑛（あきら）と大手海運会社の御曹司・階堂彬（あきら）。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。

やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった！

「アキラとあきら（サマリー）」オーディブル

２０１７年にＷＯＷＯＷでドラマ化、２０２２年に映画化されました。

まさに、それぞれの「宿命」がテーマとなる小説ですね。

ドラマの２人のあきら（向井理・斎藤工）の終始親密な関係も良かったのですが、映画の、特に前半の階堂彬（横浜流星）の山崎瑛（竹内涼真）に対する冷ややかな見方、発言からの後半、という展開も良かったです。

映画の最後に流れる、この映画のために作成されたという、ｂａｃｋ ｎｕｍｂｅｒの「ベルベットの詩」には本当に感動しました。

そんな「アキラとあきら」のナレーターは、「下町ロケット」や「七つの会議」と同じ、平川正三さんで、本作のナレーションも４．８の高評価です。

ノーサイド・ゲーム

大手自動車メーカーのエリート社員・君嶋隼人は、横浜工場の総務部長に左旋させられ、ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。

かつて強豪としてならしたチームもいまは鳴かず飛ばず、巨額の赤字を垂れ流していた。アストロズを再生せよ━━━。

「ノーサイド・ゲーム（サマリー）」オーディブル

２０１９年７月に、ＴＢＳで大泉洋さん主演でドラマ化されました。主題歌、米津玄師さんの「馬と鹿」はラグビーに懸ける熱いドラマにベストマッチで、記憶に新しいです。

私は本は読んでおらず、今回オーディブルで初めて原作に触れましたが、ドラマとは少し印象が違いました。

たとえば、ドラマで松たか子さんが演じられていた君嶋の妻や、ラグビーを始めた長男など、君嶋の家族は原作にはほとんど登場しませんし、また、君嶋はドラマ以上に仕事ができる男として描かれている印象です。

そういう意味では、半沢直樹シリーズなど、池井戸潤さんの小説により近いイメージで、ドラマとはまた違った面白さがありました。

そんな本作「ノーサイド・ゲーム」のナレーターは、「空飛ぶタイヤ」、「陸王」と同じ高川裕也さんで、ナレーション、ストーリーとも４．９と非常に高く評価されている作品です。

ハヤブサ消防団

東京から父の郷里・ハヤブサ地区に移住した売れない作家の三馬太郎。田舎暮らしを楽しむはずが、地元の消防団入りした彼を待ち受けていたのは連続放火事件だった。

息もつかせぬ展開の、池井戸潤まさかの”田園”ミステリ！？

「ハヤブサ消防団（サマリー）」オーディブル

２０２３年に、テレビ朝日で中村倫也さん主演でドラマ化されました。

私はそのドラマは見ていませんでしたが、池井戸潤さんの最新作（本記事執筆時点）であり、今までとは少し毛色が違う”ミステリー”ということと、約３，１００という他の池井戸潤さんの作品と比べても圧倒的に多い評価数が気になり、オーディブルで聴いてみました。

ストーリーについては、ミステリーということであり、主人公の三馬太郎によって少しずつ謎が解き明かされていくという展開です。

私はミステリー小説をほとんど読んだことがありませんが、本作は基本的に読み（聴き）やすいと思います。ただ、半沢直樹、花咲舞のような「倍返し」、「お言葉を返す」的な展開が好きな方には物足りなく感じるかもしれません。

一方、ナレーターは杉山怜央さんです。とてもきれいな優しい声が印象的で、それぞれの役柄の声も完璧に演じ分けられていました。

友人の勘介君の声などもとても優しく、本題からは少し逸れますが、昔を思い出して、久しぶりに学生時代の友人と飲みに行きたくなるような、そんな、本当に素敵な朗読でした。

勘介君と飲みに行くシーンが多いです。
勘介君は少し口が軽いのが玉に瑕・・。

ナレーションの評価の平均は４．８と十分高いのですが、個人的には「５」以外付けられません。

オーディブルで聴ける池井戸潤小説のまとめ

以上、Ａｍａｚｏｎ Ａｕｄｉｂｌｅ（オーディブル）で聴ける、池井戸潤さんの小説３３作品の一覧と、主要な作品の概要、ナレーションを実際に聴いてみた感想などについてお話ししました。

なお、オーディブルは月額１，５００円ですが、最初の１か月間は無料です。

池井戸潤さんの小説の朗読時間の平均は約９．９時間で、１．５倍速で聴くと約６．６時間ですので、月に４０時間（２時間×２０日、１時間２０分×３０日など）「聴く読書」の時間が取れれば、１か月で６冊は読める計算になります（もちろん、オーディブルは「ながら」で聴けます）。

ぜひ一度池井戸潤さんの小説をオーディブルで体験してみてください。特に通勤時間に聴かれると、仕事へのモチベーションも高まりますし、きっと月曜の朝が楽しみになると思います。

Audibleを３０日間無料体験

なお、オーディブルの感想については👇で詳しく解説しています。

あわせて読みたい

【聴く読書】Ａｍａｚｏｎ Ａｕｄｉｂｌｅ（オーディブル）を約１年使った感想 通勤時間などを有効活用したいけど、オーディブルってどうなの？ 普段あまり本を読まないけど、読んでくれるなら続けられるかな？ 今回の記事では、こんな疑問にお答え…

最後までお読みいただき、ありがとうございました。