- 通勤時間などを有効活用したいけど、オーディブルってどうなの?
- 普段あまり本を読まないけど、読んでくれるなら続けられるかな?
今回の記事では、こんな疑問にお答えします。
CMなどでもおなじみの「聴く読書」、Audible(オーディブル)。車での通勤や散歩などの時間を有効活用できそうですし、読書の習慣がなくても続けやすそうですが、払うお金に見合った価値があるのかどうかなど、気になりますよね。
そこで、今回の記事では、オーディブルを使ってみた感想や、オーディブルの評判・口コミなどについてまとめました。
私は、約1年前からオーディブルを始め、往復2時間(×約20日/月)の車での通勤時間に私生活の隙間時間を含めて計500時間ぐらい聴いてきましたので、その経験などを踏まえてお話しします。
- オーディブルを始めるメリット、デメリット
- 「聴く読書」のメリット、デメリット
- オーディブルがおすすめの人
オーディブルを利用した感想
初めに、私がオーディブルを約1年間聴いてみた感想についてお話しします。
「ながら」時間を有効活用できる
まず、私が感じたオーディブルの一番のメリットは、車での通勤時間などを有効活用できることです。
車を運転している時間にできることは限られていますし、もちろん音楽やラジオを聴くこともできますが、オーディブルなら、自分の好きな小説を聴いたり、ビジネス書を聴いたりして新たな知識に触れたりすることができますから。
家事や散歩などの時間も活用できますね。
ただ、もちろんオーディブルを利用するにはお金がかかりますので、その費用対効果についても考えてみたいと思います。
最初にお話ししましたとおり、私は車での通勤時間が往復で約2時間、月の出勤日数が平均20日ですので、1カ月にオーディブルを聴ける時間は(私生活で車に乗る時間などを除いて)約40時間です。
そして、1冊当たりの読み上げ時間は、再生速度にもよりますが、概ねビジネス書で4時間、小説で8時間程度ですので、それを基本に考えると、👇のようになります。
- ビジネス書:10冊(4時間×10冊)
- 小説:5冊(8時間×5冊)
ビジネス書10冊はかなりの情報量ですし、小説でも、ながら時間だけで「半沢直樹」シリーズ全5巻が1か月で読めますね。
一方、オーディブルの料金は月額1,500円です。
私の場合は、ビジネス書は1冊150円、小説は1冊300円で読める計算になりますのでかなり得ですが、たとえば月に10時間(30分×20日)しか時間が取れないような場合は、聴ける量が支払う金額に見合わないかもしれません。
それでも、月に20時間(1時間×20日)ぐらい時間が取れれば、ビジネス書で1か月に5冊読めますので、オーディブルを利用する価値は十分あると思います。
なお、オーディブルの1冊当たりの朗読時間などについては👇で詳しく解説しています。
【1年利用して分かった】オーディブル1冊、何時間?|時間の有効活用法も解説
聴き放題の作品が12万冊以上
次に、私が感じたオーディブルのメリットは、聴き放題対象作品の多さです。
オーディブルでは、12万冊以上の作品が聴き放題です。その中には日本語以外の作品も含まれていますが、それでも有名どころを含めた多くの作品が聴けます。
私の場合は通勤時間が長いため、聴きたい本がなくなってきたら解約も考えようと思っていたのですが、約1年、500時間ぐらい聴いた今でも毎日オーディブルを聴いています。
しかも、現在も配信作品は増え続けていて、直近では、下記のような作品も新たに配信されています。
- 「走ることについて語るときに僕の語ること」(著者:村上春樹)
- 「上流階級 富久丸百貨店外商部」(著者:高殿円)
高殿円さんは「トッカン」の著者ですね。
「トッカン」も聴き放題対象作品です。
なお、オーディブルでおすすめの聴き放題対象作品については、後でお話しします。
一方、オーディブルには残念ながら聴き放題対象外の作品もあります。一例を挙げると👇です。
- 「嫌われる勇気」(著者:岸見一郎 古賀史健)
- 「ビジョナリー・カンパニー」(著者:ジム・コリンズ、ジェリー・ポラス)
「嫌われる勇気」はアドラー心理学をテーマとして、「ビジョナリー・カンパニー」は偉大な企業の条件などについて書かれた本で、ともに世界累計発行部数1千万部級のベストセラーとなっています。
「ビジョナリー・カンパニー」は、経営学に関する著書ですが、サイバーエージェントの藤田晋さんも、自身の著書などで感銘を受けた本としてよく話をされており、いつか読んで見たいと思っていましたので、聴き放題対象外だったのは個人的にも残念です。
上記のように、一部の作品は聴き放題対象外です。ただし、1年間利用した感覚から言えば、対象外の数は少なく、多くの作品は聴き放題対象でした。
なお、聴き放題対象外タイトルを聴くためには購入する必要があります。私は購入したことはありませんが、会員の場合は、非会員価格の30%引きで購入できます。
読んでくれるためハードルが低い
また、読書を始めるハードルが低いこともオーディブルの魅力です。
私は、もともと本は読まないことはないのですが、家ではテレビやスマホなど誘惑が多いため、特にビジネス書などを開くためのハードルは少し高めです。普段読書の習慣がなければ、なおさらではないでしょうか。
その点、オーディブルは、特に聴いている途中の場合はスマホで「再生」を押すだけで始まりますので、読書を始めるハードルがかなり低いです。そもそも運転中など暇な時間に「ながら」で聴くことが多いですから、むしろ気が付けば付けてしまっています。
そのような意味で、疲れているときなどでもあまり影響しないのもメリットです。疲れているときに本を読むのは厳しいですが、聴くだけであれば(本の内容さえ選べば)自然に頭に入ってきますから。
一方、悩みを抱えているときや、考えごとをしているときは、あまり頭に入ってこないことが多いです。ふと気が付くとほとんど聴いていなかった、というような。
もちろん、疲れているときに頭に入ってこないのは本を読んでいても同じです。ただ、本を読んでいるときは比較的戻りやすいのですが、オーディブルの場合はどれぐらい戻せばよいのかよく分からなかったりします。
心が疲れているときは、オーディブルではなく、好きな音楽を聴いたりするのがお勧めです。
その他のメリット
再生速度が選べる
オーディブルでは、再生速度が「0.5倍~3.5倍」の範囲で選べます。
自分にあった早さで聴けますし、慣れてきたら再生速度を上げることで読書効率を上げることもできますので、これはメリットの1つです。
なお、おすすめの再生速度については👇で解説しています。
【何倍速が最適?】オーディブルを1年利用してたどりついた理想の再生速度
評価やレビューを参考にできる
各作品には読者の評価やレビューがついており、聴くかどうか迷ったときはそれらを参考に決めることもできます。
まず、評価については、ナレーション、ストーリー、それぞれ5段階の評価の平均が表示されます。
たとえば、「ハヤブサ消防団」(著者:池井戸潤)の評価は、ナレーションが4.8、ストーリーが4.6(いずれも本記事執筆時点)です。
評価数は約3,000ですので、多くの人が、ナレーション、ストーリーともに高く評価していることが分かります。
それに加えて、「レビュー」で、実際に聴いた人の具体的な感想を見ることができます。
レビューの数は作品によって違い、レビューのないものもありますが、人気のある作品はレビューも多く、上でお話しした「ハヤブサ消防団」で約330(本記事執筆時点)です。
本自体の内容というよりは、声優・俳優の声の良し悪し、作品との相性などについての内容が多いため、結構参考になります。やはり「聴く読書」ですから、そのあたりは重要ですね。
その他のデメリット
読むことはできない
オーディブルの機能は「聴く読書」のみですので、読むことはできません。
ですので、たとえば重要なポイントだけ軽く振り返るとか、読書記録を付けるとか、そういうことには少し不向きです。
女性の役柄の声が男性のときがある
小説を聴いているときに、たとえば女性の役柄の声を男性が担当したりする場合があります。
もちろん、たとえば「トッカン 特別国税徴収官」のように、中心人物に女性と男性がいる場合はそれぞれ同性の方が担当されるのですが、主人公の妻や母など、脇役に女性が出てくるときなどに多いです。
仕方がないところもあるのかもしれませんが、どうしても違和感が拭えないときがありますので、できれば改善してほしいと思うポイントです。
オーディブルの評判・口コミ
上でお話しした「レビュー」によく見られる、オーディブルの良い評判・口コミは👇です。
- ナレーションが素晴らしく、心地よく響く
- 本を読むのではなく、声で聴くと納得できることも多い
オーディブルは、声優などの評価も高いのが特徴です。なお、具体的にナレーションを担当されている芸能人や声優については、後でお話しします。
また、読むよりも聴く方が理解しやすいのは、たとえば勉強で考えると分かりやすいですね。独学よりも塾で教えてもらうほうが理解しやすいですから。
一方、同じく「レビュー」に見られる、オーディブルの悪い評判・口コミは👇です。
- 本の世界観にその声優(など)の朗読が合わない
- 方言や、地名のイントネーションなどがおかしい
1点目は、良いレビューの裏返しのような話ですが、特に小説などの場合、感情移入して読み上げられる作品が多いです。そこで、声と世界観が合わなければどうしても作品の評価は下がってしまいますね。まあ、最終的には好みによる部分も大きいのかもしれません。
2点目の、方言や地名のイントネーションなどについては、正確でなかった場合、特に地元の人は気になることもあるようです。まあ、NHKの朝の連続テレビ小説などでも方言などに関する厳しい意見は一部に存在しますので、そこについてあまり多くを求めることは酷なのかもしれませんが。
オーディブルでおすすめの本
オーディブルでおすすめの本はたくさんありますが、その中で、いくつかご紹介したいと思います。
「半沢直樹」シリーズ
2回に分けてドラマ化された、「半沢直樹」シリーズ。まさに一世を風靡したと言っても過言ではありません。
そんな「半沢直樹」シリーズですが、ドラマの原作となった第1作目の「オレたちバブル入行組」から第4作目の「銀翼のイカロス」までに、「アルルカンの道化師」を加えた全5作、全て聴き放題対象作品です。
私は、これを聴き始めてから、通勤が楽しみになりました。
毎回社内外に敵となる存在があり、前半にフラストレーションがたまる分、終盤に炸裂する爽快な「倍返し」が、聴き放題で味わえます。
その他、池井戸潤さんの著作については、👇のような作品も聴き放題対象です。
- 「下町ロケット」シリーズ(ドラマ化)
- 「陸王」(ドラマ化)
- 「アキラとあきら」(ドラマ化(WOWOW)、映画化)
- 「ハヤブサ消防団」(ドラマ化)
なお、オーディブルで聴ける池井戸潤33作品と感想については👇でまとめています。
【2024年版】半沢直樹だけじゃない!オーディブルで聴ける池井戸潤33作品と感想
「ノルウェイの森」
村上春樹さんの名作、「ノルウェイの森」。朗読は、俳優の妻夫木聡さんです。
私は、特に村上春樹さんのファンというわけではなかったのですが、本作だけは昔読んだことがありました。
今回、オーディブルで聴き放題対象作品でしたので、あらためて聴いてみたのですが、妻夫木さんの朗読が、当時私が読んで感じた作品の雰囲気にかなり近く、自然に聞けました。
レビューでは、妻夫木さんの朗読について賛否両論ありますが、肯定的な意見のほうが多く、私も素敵なナレーションだと思います。
その他、村上春樹さんの著作については、👇のような作品も聴き放題対象です。
- ねじまき鳥クロニクル(ナレーター:藤木直人)
- 海辺のカフカ(ナレーター:木村佳乃)
- 1Q84(ナレーター:杏、柄本時生)
- 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(ナレーター:向井理)
- 騎士団長殺し(ナレーター:高橋一生)
ナレーターが揃って豪華ですね。
また、上で、最近配信された作品としてお話しした、「走ることについて語るときに僕の語ること」も大沢たかおさんの朗読が素敵な作品です。
「夢をかなえるゾウ」シリーズ
各回の主人公と、「夢をかなえるゾウ」ガネーシャの、「教え」あり、「笑い」あり、涙ありの物語。
楽しく読めて学びも多い、シリーズ累計の発行部数が400万部を超える、ベストセラーです。
朗読は、ガネーシャの個性が強いように感じますが、めちゃくちゃな神様、ガネーシャの特徴をとらえているようで、いい作品に仕上げられていると思います。
本作も、シリーズ全5作、全て読み放題対象作品です。
「メモの魔力」
前田裕二さんの著書、「メモの魔力」。メモで夢をかなえるための方法について語られた、自己分析にもお勧めな、ベストセラーですね。これも聴き放題対象作品です。
「知的生産のためのメモ」に必要な、「ファクト(事実) → 抽象化 → 転用」という流れ。
そこから転じて、「自分を串刺しにする本質的な人生の軸」を見つけること。それを「メモの魔力」によって解決していく手法。
それらについて、体系的にまとめられた本です。
具体例などを用いて分かりやすく語られますが、やや難しい内容も含まれるため、本書を聴かれる際は、少し再生速度を落とされるのがおすすめです。
その他
その他にもオーディブルには多数の聞き放題対象作品があります。
それらの中から、たとえば「自己啓発」、「歴史」などのカテゴリーから選んだり、また、「文章術」、「ランニング」などのキーワードで検索することができ、そこからさらに作品を広げていくことも可能です。
たとえば、「文章術」で検索すると、「人を操る禁断の文章術」(著者:メンタリストDaiGo)がヒットします。
それを聴いて気に入れば、メンタリストDaiGoの他の作品に横展開していくことができます。
私は、そのようにして次に聴く作品を見つけていきました。たくさんの作品の中から、ぜひ、あなたの本当におすすめの1冊を見つけ出してみてください。
オーディブルは芸能人・声優陣が豪華
上で少しお話ししましたが、オーディブルは、ナレーターをされている芸能人・声優陣がとても豪華です。
芸能人
まず、芸能人については、さきほど紹介した村上春樹さんの著作以外で一例を挙げると👇です。
- 堤真一
- 「火花」(著者:又吉直樹)
- 三浦友和
- 「火車」(著者:宮部みゆき)
- 竹中直人
- 「風の又三郎」(著者:宮沢賢治)
- 榮倉奈々
- 「Nのために」(著者:湊かなえ)
- 上白石萌音
- 「君の名は。」(著者:加納新太、新海誠)
- 田中みな実
- 「生きるとか死ぬとか父親とか」(著者:ジェーン・スー)
声優
次に、声優について一例を挙げると👇です。
- 神谷浩史(「うる星やつら」諸星あたる役)他
- 「化物語 上」(著者:西尾維新)
- 斎藤壮馬(「るろうに剣心」緋村剣心役)他
- 「穏やか貴族の休暇のすすめ」(著者:岬)
- 櫻井孝宏(「鬼滅の刃」冨岡義勇役)他
- 「墨のゆらめき」(著者:三浦しをん)
- 高山みなみ(「名探偵コナン」江戸川コナン役)他
- 「モモ」(著者:ミヒャエル・エンデ)
- 野沢雅子(「ドラゴンボール」孫悟空役)他
- 「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」(著者:斎藤惇夫)
- 日高のり子(「タッチ」浅倉南役)他
- 「星の王子さま」(著者:サン=テグジュペリ)
ドラゴンボールの野沢雅子さんまで・・・
オーディブルのよくある質問
ここからは、オーディブルのよくある質問についてお話ししたいと思います。
支払方法は?
オーディブルの支払方法は、👇のいずれかです。
- クレジットカード
- デビットカード
オフライン再生できる?
オーディブルはオフライン再生が可能です。
あらかじめWi-Fi環境の整った場所などでダウンロードしておくことで、いつでも好きな作品を聴けます。
Amazonプライム会員の特典はある?
現在(令和6年2月時点)、Amazonプライム会員が割安で利用できるなどの特典はありません。
解約(退会)はいつでもできる?
解約(退会)はいつでもできます。
なお、退会手続き完了後も次回請求日の前日まで通常どおりサービスを利用できるため、いつ退会しても無駄はありません。
同様に、仮に無料体験期間中に退会手続きを取った場合でも、無料体験期間中はオーディブルのサービスを利用できます。もちろん、その場合は費用はかかりません。
オーディブルと「audiobook.jp」との比較
「audiobook.jp」と比べてどうかな?
オーディオブックサービスで、「Audible」の他に人気の「audiobook.jp」との比較は👇です。
Audible | audiobook.jp | |
---|---|---|
料金(税込) | 1,500円(月額) | 1,330円(月額) 9,990円(年額) |
聴き放題 対象作品数 | 約12万タイトル | 約1万5千タイトル |
無料体験期間 | 30日間 | 14日間 |
料金は、「audiobook.jp」のほうが「Audible」よりも安く、特に年割プラン(一括前払い9,900円)にすると、月額833円で利用できます。
一方、「Audible」は「audiobook.jp」よりも聴き放題対象作品が多いです。
なお、「Audible」は小説もビジネス書も幅広く揃っている一方、「audiobook.jp」はビジネス書を中心に揃えています。
また、無料体験期間は、「Audible」のほうが「audiobook.jp」よりも長いです。
価格、聴き放題対象作品の数、ジャンル、無料体験期間の長さなど、それぞれのメリット、デメリットを参考に、よりメリットが活かせそうなほうを選んでください。
オーディブルの感想まとめ
以上、オーディブルを使ってみた感想や、オーディブルの評判・口コミなどについてお話ししました。
お話ししてきたような特徴から、オーディブルは👇のような方におすすめです。
- 通勤時間や隙間時間などを有効活用したい方
- 本を読むよりも聴くほうが頭に入りやすい方
- 多くの作品(本)に触れたい方
なお、オーディブルは30日間の無料体験ができますので、次はあなたが体験してみてください。もし合わなければ、30日以内に解約すればお金はかかりませんから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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