今回、Amazon Audible(オーディブル)で「墨のゆらめき」(著者:三浦しをん)を聴いてみたのですが、ストーリー、ナレーションともにとても素敵な作品に仕上がっていました。
そこで、今回の記事では、ストーリーやナレーションなど、私が「墨のゆらめき」をオーディブルで聴いた感想について、著者の三浦しをんさんやナレーターの櫻井孝宏さんのことも含めてまとめています(なお、ネタバレはありません)。
以下、さっそくお話ししていきたいと思います。
「墨のゆらめき」の著者(三浦しをん氏)について
本書「墨のゆらめき」の著者、三浦しをんさん。
私が三浦しをんさんの著書で初めて読んだのは、辞書の編纂をテーマにした小説、「舟を編む」でした。私自身、仕事に情熱を燃やしていたこともあって同書を手に取ったのですが、読んでみて、単なるお仕事小説に留まらない素敵な世界観に心惹かれました。
その後、私はランニングが趣味のため、箱根駅伝をテーマにした小説、「風が強く吹いている」を読んで完全に同氏のファンになり、その後は「まほろ駅前」シリーズなど、順調にその作風にはまっていったのですが・・・。
オーディブルを聴き始めて1年ほど経ってから、三浦しをんさんの著書が聴き放題対象作品に入っていることに(今さらながら)気が付きました。
それが、本書、「墨のゆらめき」です。
なお、三浦しをんさんの著書の中でオーディブルで聴ける作品には、本書以外にもう1冊、「言葉の海で育ってきた私」があります。
ただし、「言葉の海で育ってきた私」は聴き放題対象外作品ですので、三浦しをんさんの著書の中でオーディブル会員が聴き放題で聴けるのは、本書「墨のゆらめき」だけです。
オーディブルで聴ける本書「墨のゆらめき」について
実直なホテルマン、続力(つづきちから)と、奔放な書道家、遠田薫(とおだかおる)。
話は、仕事を通じて出会った全くタイプが違う2人を中心に展開されます。
あくまで自由な遠田にペースを乱され、最初はビジネスライクに適度な距離感を保とうとする続ですが、遠田の代筆を手伝ったことなどをきっかけに、やがて遠田の書風に、また、遠田の人柄そのものに魅せられ、関係を深めていく。
そんな、心地よいまろやかなストーリーを堪能していたところ、後半に訪れる急展開。
遠田がいつも続にかけていた、「また来いや」という言葉が後半に思い出され、寂しく心に響きます。
「友達ではない」2人の、「まほろ駅前」シリーズとはまた少し違う、月並みな表現ですが、心温まる物語です。
なお、本作はオーディオファースト作品として、新潮社との共同企画で書き下ろされました。
オーディオファースト作品って何?
オーディオファースト作品とは、オーディブルで先行配信された後、書籍が刊行される、というものです。
本書の場合、オーディブルでは令和4年11月から配信が開始され、書籍は令和5年5月に発売されました。
オーディブルの小説ではそもそもナレーションは重要な要素ですが、オーディオファースト作品の場合は、先にオーディブルで作品の世界観が作られますので、よりナレーションが重要になってきます。
「墨のゆらめき」のナレーター(櫻井孝宏氏)について
そのオーディオファースト作品である本作のナレーターは、櫻井孝宏さんです。
櫻井孝宏さんは人気の声優で、多数の作品に出演されています。そのうち、一例をピックアップすると👇です。
- 鬼滅の刃(「富岡義勇」役)
- ダイの大冒険(「アバン」役)
- ファイナルファンタジーⅦ(「クラウド」役)
そんな櫻井孝宏さんのナレーターは、とても聴き心地が良く、まるでテレビドラマの音声だけを聴いているようでした。
もちろんナレーション自体も秀逸ですが、さらにすごいのはその役柄ごとの声の使い分けです。
本作には、続、遠田の他、元職場の先輩で定年退職後、現在も続の競馬友達である原岡、遠田書道教室の生徒である小学5年生の三木、その他、続の家族などさまざまな人物が登場しますが、小学生から年配者まで、1人で見事に演じ分けられています。
そして、その自由自在のナレーションでストーリーは展開されます。前半はまろやかに、後半は聴き手の感情を揺さぶるように。
そんな櫻井孝宏さんのナレーションで綴られる、三浦しをんさんが描く世界は、まさに圧巻でした。
オーディブルで聴ける「墨のゆらめき」のまとめ
今回の記事では、「墨のゆらめき」のストーリーやナレーションなど、私がオーディブルで聴いた感想について、著者の三浦しをんさんやナレーターの櫻井孝宏さんのことも含めてまとめました。
続と遠田、タイプが全く違う2人が生み出す人間ドラマは、読み終えた心に染み渡りましたし、三浦しをんさんの著書に久しぶりに触れて、その良さをあらためて実感しました。
そして、何より声優、櫻井孝宏さんの聴き心地のよいナレーションが最高な、まさに「聴く読書」の良さが感じられる作品です。
オーディブルの聴き放題対象作品ですので、ぜひ一度聴いてみてください。オーディブルは30日間の無料体験ができますので、本書を無料で体験することもできます。
なお、オーディブルの感想については👇で詳しく解説しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント