就職活動の面接が苦手でなかなか内定がもらえない。このままどこにも就職できないのではないか。
そんな先の見えない暗闇の中にいた私に差し込んだ一筋の光。
書店で偶然見つけ、内定までの道筋を示してくれた、その思い出の本が、「面接の達人 バイブル版」(著者:中谷 彰宏)です。
「面接の達人」について
「面接の達人」は、昔「就活学生の3人に2人が読む」と言われた、面接対策のベストセラーです。
著者の中谷彰宏さんは、博報堂に入社後、独立され、「中谷塾」を運営される傍ら、ビジネスやマナーなど多ジャンルの書籍を執筆されており、その著書は900冊を超えています。
なお、早稲田大学文学部演劇科在学中に4年間で4,000本の映画を見られたそうです。
面接で覚えることは2つだけ
君は、たった2つのことを覚えるだけでいい。
しかも君が覚えたたった2つのうち1つが本番で言えれば、君はトップで通る。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
メンタツで語られていることは常に明快です。
でも、実践するのは大変なんですよね。
この場合の「2つ」とは自己紹介と志望動機のことを指しています。
つまり、自己紹介と志望動機を突き詰めて、面接で伝えれば、その2つだけで面接の勝負は決まると。
確かに、
- その就活生がどんな人間で
- その会社でどんな貢献ができるのか
その2つが分かれば、理論上、それだけで合否の判断はできますよね。
それを知るのが面接の目的ですから。
そして、そのうち「1つ」とは自己紹介を指しています。
理由は、志望動機は自己紹介の中から浮かんでくるものであり、自己紹介が間違っているのに志望動機が合っているということはあり得ないため、突き詰めれば全て自己紹介と言えるからです。
自己紹介と志望動機で話すこと
自己紹介と志望動機って具体的に何を言えばいい?
まず、自己紹介で話すテーマは、「自分が今までしてきたことの中で、これだったら一晩でも二晩でも話が尽きないもの」についてです。
それを、自分の(これまでの)クライマックスとも言えるような最近のエピソードから探すことが大切だと書かれています。
そして、志望動機で話すことは、「(その)会社で何をやりたいか」についてであり、そのためにできるだけ具体的な企画を持っていくことが大切だと書かれています。
この、自己紹介に関しては少なくとも意味は理解できたのですが、志望動機は難しかったです。相手の会社のこともよく分からないのに、具体的な企画を持っていくなんて現実的ではないとさえ思えました。
結局、なんとか企画(のようなもの)までひねり出せた会社もあったのですが、多くは「(自分の特性を活かして)何をやりたいか」という話までが精いっぱいでした。
このように、上でお話ししたとおり、書かれていることは明快で、しかし実践するのが難しい(少なくとも、私には難しかった)のがメンタツの特徴です。
その他の質問に対する回答
自己紹介と志望動機以外の質問をされたら?
自己紹介と志望動機で結果が決まっているとしても、当然、実際の面接ではそれ以外の質問もされますよね。
そのときには、何を聞かれても、自己紹介と志望動機に結び付けて話せばいいと書かれています。
たとえば、大好きなバイクのことについて自己紹介にしているのであれば、「米国経済の今後について」聞かれたときに、バイクでアメリカ旅行したとき感じたことや、バイクの日本製品とアメリカ製品との比較などの観点から答えるなど、あらゆる質問に対してバイクを通して自己紹介に結び付けて答えればよいと。
君自身が面接で話す内容は、24時間話しても話しきれない内容のはずだ。
どんな切り口でも話せるはずだ。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
ここで、「面接では自己紹介と志望動機の2つだけ覚えればいい。」の意味が分かりますね。結局、面接官は自己紹介と志望動機の2つが聞きたいのだから、と。
理想だと思いました。
しかし、現実問題として、ここまで何かを突き詰めることはかなり難しいですよね。
原稿用紙100枚書いてみる
そのため、メンタツには次のように書かれています。
まず24時間話すだけのネタを探す。
400字詰めの原稿用紙なら、100枚をメドに書いてみることだ。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
4万字も書くのか・・・。
これは本当に大変でした。まあ、想像はしていましたけど。
私は、なかなか内定がもらえず追い詰められていたためやりましたが、それでもノートの32枚目(1枚約1,000字)でペンが止まりました。
それでも、書いてみた結果得られたものは大きかったです。過去の積み重ねで今があることは自信にもつながりましたし、その後何度も読み返しながら自分について考えたことが面接での回答などにも役立ちましたから。
24時間話すだけのネタを探すことは私には難しかったですが、いずれにしても、ここで見つけた「自分」をもとにあらゆる質問に回答することで、メンタツにおける面接対策は一応完了です。
面接は全てが自己PR
メンタツでは、面接のあらゆる機会をとらえて自己PRすることが求められています。
それは、質問に対する回答ではもちろん、最後に面接官に質問するときなども全てそうです。
さらに言えば、面接は全て自己PRなので自分の得になること以外言わなくていい、というのがメンタツの考え方です。
具体的には次のような話です。
- 短所を聞かれたら、短所を言うふりをして長所を言えばいい。
- たとえ第27志望でも、「御社第一志望」と真顔で言えるようになる。
これも明快で、分かりやすいですね。
先にお話ししたように、メンタツは全てが自己PRという強い信条に基づいているため、こういう結論になるのは当然だと思いますし、それは1つの真実だと思います。
ただ、これに関しては、正直その人の人柄などによるところもあるのではないかと思います。まあ、もちろん、面接自体に絶対な正解は存在しないのですが。
「第27志望」はさすがに厳しいとは思いますが、正直に短所を話したほうが好印象な人もいますし、そこは最終的には個人の判断になってきます。
ここで、メンタツの基本に立ち返ってみると、模範回答に頼らないことなど、あくまで自分の頭で考えることが基本であることを思い出します。
最後まで自分で判断することが大切ですね。
まとめ
以上、面接の達人 バイブル版」(著者:中谷 彰宏)についてお話ししました。
今回の話の内容をまとめると、下記のとおりです。
- 面接で覚えることは、自己紹介と志望動機だけ
- その中でも、特に自己紹介に力を注ぐ
- 自己紹介では話が尽きないもの、志望動機では企画を話す
- その他、何を聞かれても自己紹介や志望動機に結び付けて話す
- そのために、原稿用紙100枚書いてみる
- 面接は全てが自己PR
- 最後まで自分の頭で考えることが大切
冒頭お話ししたとおり、メンタツに書かれていたことを実践して内定を得られましたが、メンタツで取り組んだことは、就職後も役に立ちました。
それは、1つは自己分析の末に自分自身を少し知ることができるからです。
また、メンタツに書かれていることは甘くなく、特に私が最初に読んだときは非常に厳しかったです。その厳しい考え方が、就職後も活かせました。
いずれにしても、著者の中谷彰宏さんには本当に感謝しかありません。
もしあなたが今面接で壁に当たっているのであれば、ぜひ一度メンタツの門を叩いてみてください。きっと何か新たな発見が得られると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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