あなたは今、面接を受けてもなかなか内定がもらえず、このままでは就職できないのではないかと悩んでいませんか?
もしそうなら、私の経験があなたが内定を得るためのお役に立つかもしれません。
私は、新卒の就職活動のとき、面接が苦手すぎて、面接を受けても受けてもなかなか内定がもらえませんでした。
対策の方法も分からず、このままどこにも就職できないのではないかと不安になったり、不採用の連絡がくるたびに自分を否定されているように感じたりして、一向に出口が見えないつらい日々。
そんなとき、わらにもすがるような思いで面接の本を探していたところ、1冊の本に出会いました。
それは、私がそれまでに読んだ面接対策の本とは全く違いました。決して甘くない、しかしとても本質的なことが書かれているような、そんな本でした。
その後、その本を何度も読み、書かれていることを実践していったところ、最終的に、私は無事、内定を得ることができました。
今でも家の本棚に置いてあるその本の名前は、「面接の達人」(メンタツ)です。
この記事では、当時の私と同じように、面接を受けてもなかなか内定がもらえないと悩んでいるあなたに、私の経験談を、メンタツの内容(「メンタツを読んで私なりに理解した内容」と言ったほうが正確ですが)をまじえながらお話ししたいと思います。
はじめに
せっかくいい商品なのに、伝え方が悪いために手に取ってもらえなかった商品は無数にある。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
これは、メンタツの中に出てくる言葉です。メンタツの著者である中谷彰宏さんは、過去に広告代理店でCMプランナーをされていたときの経験から、このように感じられたそうです。
中谷さんは、続けてこうも言っています。
二十何年生きてきて、君たち一人一人は十分魅力ある存在なのだ。
なのに面接では、その10%も伝わらないのだ。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
私は、この言葉に大きな勇気をもらいました。せっかくの素敵な商品ですから、正しい売り込み方を身につけたいですね。
面接で言うべきこと
2つの覚えるべきこと
私は、メンタツと出会う前、適当に選んだ一般的な面接対策の本を何冊か読みました。
その上で、面接ではいわゆる模範回答と言われるような、一般的かつ抽象的な内容で全て回答。
自己分析も全くしていませんでしたので、具体的な内容で語れることもほとんどなく、その結果、面接に落ち続けました。
そんなとき、最初にお話ししたとおり、メンタツと出会います。
メンタツには、次のように書かれていました。
君は、たった2つのことを覚えるだけでいい。
しかも君が覚えたたった2つのうち1つが本番で言えれば、君はトップで通る。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
これは、模範回答を一つ一つ覚えていた当時の私にとって、大きな驚きでした。
この2つのこととは何か。
それは、「自己紹介」と「志望動機」です。
1つの言うべきこと
では、そのうち1つとはどちらなのか。
それは、「自己紹介」です。
なぜなら、志望動機は、自己紹介なくして成り立たないからです。
もう少し具体的に言うと、面接では「私のこういうところが御社のこういうところで活かせると思います。」というようなかたちで自分を売り込む必要があり、それが志望動機になるからです(これについては、後で詳しくお話しします)。
ですので、会社のホームページを見たり、採用のパンフレットを読んだりして、いろいろその会社の表面的な部分を調べても、そこからは志望動機は生まれません。
繰り返しになりますが、志望動機は自己紹介の中からしか生まれません。そのために、就活生が行うべきことは、「自己分析」です。
自己分析
では、自己分析とは具体的に何をすればいいのか。
自分の過去を振り返り、自分のことを理解する。それって簡単なことではないですよね。
そこでメンタツをあらためて読むと、次のようなことが書かれていました。
400字詰めの原稿用紙なら、100枚をメドに書いてみることだ。
君自身が生きてきた二十何年間にあったことでもなんでもいい。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
当時の私にとって、これはできればやりたくないことでした。
4万字も書かなければいけないという手間はもちろんですが、これをやることによって、何かを諦めたなど、自分の弱い部分も見えてきて、かえって自信をなくしたりするのではないか。そんな漠然とした不安もありました。
メンタツと出会う前の私が全く自己分析をしなかったのも、一番の理由はこれです。
しかし、追い詰められていたこのときの私には、やらないという選択肢はありませんでした。
最初はあまり気が進まなかったのですが、世の常か、一旦書き始めると、ペンはどんどん進み始め・・・。
自分の今までを振り返り、そのときどきになぜそのように行動したのかも思い出しながら、良かったことも悪かったことも全て書いていき、最終的に書くことがなくなったのはノートの32枚目(1枚あたり約1千字)でした。
書き終えて感じたことは、これまでいろいろあったけれども、少なくとも自分なりに考え、努力してきた結果、今の自分があるのだということでした。これは本当に大きな収穫だったと思います。
その後、書き出した内容を何度も読みながら、自分の価値観、傾向などについて考えていった結果、私は自分という人間を少し知ることができたような気がしました。
自己分析は決して楽ではありませんが、きっと自分の新たな発見につながると思います。
なお、自己分析におすすめの本については👇で解説しています。
就活時の自己分析におすすめの本5選【読んだ感想や、ポイントについて解説】
面接対策
具体的に語ること
自己分析を終え、いよいよ自己紹介などを考えていこうとしたのですが、具体的にどういうふうにまとめればいいか分からなかった私は、ここで再び壁に当たることに・・・。
そこで、あらためてメンタツを読み返すと、次のようなことが書かれていました。
抽象語と具体語とを比べると、具体語しか記憶に残らない。
面接官の心に印象づけるには、できるだけ、具体語で語ることが必要だ。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
これは、例えば、「上司と意見が食い違ったとき、どうしますか。」という質問に対して、「主張すべきところは主張して、折り合いが付かなければ上司の意見に従います。」といういわゆる模範回答と、「私がアルバイトをしていたときに、店長とこういうことがあり、そのときにこういうふうに行動したところ、このような結果になりました。そこから私が学んだことはこれです。」というような具体例をまじえた回答とでは、どちらのほうが説得力があるかを考えれば分かりやすいですね。
ですので、全ての質問に具体的な体験を添えて回答するのですが、その各回答の具体的なまとめ方は下記のとおりです。
- 結論→理由→具体的体験の裏付け
- 結論→根拠となる具体的体験(→場合によって再度結論)
前者は、メンタツに書かれていたまとめ方で、本来はこれがオーソドックスだと思います。ただ、自己紹介など、理由を独立させにくい場合もありましたので、私は主に後者の構成でまとめました。
どちらの構成でも大丈夫ですが、いずれにしても「結論→具体的体験」というのがポイントです。結論を伝えずにいきなり体験談から語り始めると、話の内容が見えにくくなってしまいますから。
これを踏まえて、以下、具体的な回答内容を考えていきました。
自己紹介の作成
メンタツで(メンタツに限らないかもしれませんが)面接で一番大事だとされている自己紹介ですので、何にするか、かなり悩みました。
ただ、一つだけ心に決めていたのは、自分を偽らないということです。
メンタツと出会う前の私は、自己分析もしておらず、自分をアピールできるものが何もありませんでした。そのため、ひどいときは、面接を受けているその会社に求められそうな資質(だと自分で勝手に判断したもの)を自分の長所として話すときもありました。
・・・落とされて当然ですよね。当時、面接官にどういうふうに思われていたのか、考えるだけで恥ずかしい、本当に黒歴史です。
しかし、そういう小手先のやり方で面接に落ち続けた私がメンタツを読んで特に強く感じたのは、結局、本音の言葉しか面接官には届かないということです。
最終的に私が自己紹介のテーマとして選んだのは、自己分析をする前は全く気付かなかった自分の特性です。派手さはないけれど、おそらく自分の人生の過程で常に支え続けていてくれた、そんな内容を、面接官にも伝わるような具体的なエピソードを添えて話しました。
なお、面接で嘘をつかないことの大切さについては👇で解説しています。
「全て第一志望?」就活の面接は嘘つき大会か【大切なものを失わないために】
ただ、人にアピールできるような強みを見つけるのは(人によると思いますが)私には本当に難しく、苦労しました。
そこで、私は「短所から考えてみる」という方法も取り入れました。よく言われることですが、人の個性は表裏一体ですから。
たとえば、「優柔不断」というのは一般的に短所のイメージですが、慎重に決める分後悔が少ないのであれば、そういう意味で長所とも言えます。
目を背けたい短所ですが、あえてそこから考えてみることで、新たな発見につながりました。
なお、(メンタツでは同じ意味なのですが)自己紹介の後に自己PRを聞かれたりすることもあるかもしれませんし、選択肢を増やすためにも、私は自己紹介は3つ用意しました。
なお、自己紹介で話すべき強みの見つけ方、回答の作成方法等については👇で解説しています。
【就職面接が苦手な方必見】強みを見つけ、自己紹介(自己PR)を作り上げる方法
志望動機の作成
自己紹介が完成した後は、志望動機を考えました。
もちろん、自己紹介と違い、志望動機はどの会社でも同じというわけにはいきませんので、最終的にはそれぞれの会社に応じた志望動機を考えることになります。
ただ、メンタツには次のように書かれていました。
志望動機は、自己紹介の中に、必ず隠されている。
自己紹介がまともにできなくて、志望動機が言えるわけがない。
面接の達人 バイブル版(著者:中谷 彰宏)
これについて、最初は意味がよく分からなかったのですが、最終的に私なりに理解したのは、志望動機では「私のこういうところを、御社のこういうところで活かしたい。」ということを伝えなければいけないということです。
理由は、仕事で自分の適性を活かせることは、自分にとっても会社にとってもメリットが大きいからです。
そのために必要なことは、①自分を知ること(自己分析)、②相手を知ること(業界研究・企業研究)の2つなのですが、この時点で私は①は終えていましたので、②を進めることにしました。
②は、業界研究・企業研究ですので、具体的に考えたのは、下記の2点です。
- なぜその業界なのか
- その業界の中で、なぜその会社なのか
ただ、自分を知ることすら難しいのに、相手を知るのはもっと難しかったです。
ですので、インターネットや書店を活用するなどして、できる限りその業界や会社のことについて調べてみた上で、最終的にはイメージしました。その会社で働き始めた後の自分を。
そして、その会社の業務に自分はどのように貢献できるのか、という観点からそれぞれの志望動機を完成させていきました。
なお、私がまとめた志望動機の基本的な構成は、下記のとおりです。
① その業界に興味を持った理由
② その中で、その会社を選んだ理由
③ その事業に、自分はこういうかたちで貢献できるということ
④ ③の裏付けとなる具体的な体験談
なお、①や②に関しても、できるだけ具体的に自分の過去の経験などとあわせて話すようにしました。
これは、たとえば、過去に警察や医師に助けられたから、その仕事に憧れ、今度は自分が誰かを助けたいと思った、というようなイメージです。まあ、そこまで分かりやすいものは少ないのですが、自己分析と、業界・企業研究をしっかりやっておくと、結構関連性が見つかったりしました。
ですので、最終的には、
- 自分の(こういう)経験から、その業界(企業)を志望した
- 自分は(こういう)強みがあって、具体的には(こういう)体験があり、それが御社で(こういうかたちで)活かせると思う
というかたちで、2本の柱それぞれを具体的な体験談をもって話す、というかたちで志望動機を完成させました。
なお、具体的な志望動機を作り上げる方法については👇で解説しています。
【就職面接が苦手な方必見】面接官の心に響く、具体的な志望動機を作り上げる方法
その他の質問への回答の作成
自己紹介と志望動機を完成させた私は、その後、あらためて面接の対策についてやるべきことを考えました。
メンタツには、質問と答えを暗記する必要はなく、自己紹介と志望動機の2つを覚えるだけでよい、それさえあればどんな問題にぶち当たっても一刀両断できると書かれていました。
もちろん、面接ではそれ以外のことも聞かれるのですが、要は何を聞かれても、自分が用意してきた自己紹介と志望動機に結び付けて話せばいいと。
これは、たとえば大好きなバイクのことについて突き詰めているのであれば、「米国経済の今後について」聞かれたときに、バイクでアメリカ旅行したときの体験や、バイクの日本製品とアメリカ製品との比較などの観点から答えるなど、あらゆる質問に対してバイクを通して自己紹介に結び付けて答える、というようなことです。
しかし、自己分析を終え、自分のことは少し理解できましたが、それでも、私にはあらゆる質問に対応できるほど突き詰められそうなものは見つけられませんでした。
そこで、私は、想定されるあらゆる質問に対する答えをあらかじめ考えておくことにしました。
まず、質問を集めていきました。これは、本やインターネットから簡単に集められますので。なお、私は、模範回答は見ずに、質問だけを集めていきました。
その後、質問に対する答えを一つひとつ考えていきました。もちろん、全て自己PRにつながる具体例を入れました。具体例の候補は、32枚のノートの中にたくさんありましたので。
そして、答えを考えた後、さらに「具体的には?」という自分への問いを最低3回重ね、より具体的にしながら、答えを一つ一つ完成させていきました。
また、同じようにメンタツを読んでいた友人にも見てもらい、意見をもらったりして、より良いものに仕上げていきました。
なお、短所について聞かれたときの回答の考え方については👇で解説しています。
就職面接で「あなたの短所(欠点)は何ですか?」と聞かれたときに言うべきこと
そして、(本来のメンタツの趣旨とは違いますが)それらを全て覚えて面接に臨みました。
なお、面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることが多かったため、そのときに質問する内容についてもあらかじめ考え、準備しておきました。その考え方については👇で解説しています。
就職面接で「何か質問はありますか?」と聞かれたときに言うべきこと
おわりに
面接の対策をした後、面接官の反応は明らかに変わりました。特に、具体的な話をするときに、それまでよりも顔を上げて聞いてくれることが増えたのです。
これは、回答の内容が具体的になったことはもちろんですが、それにより、自分自身が自信を持って答えられるようになったことも大きかったかもしれません。
なお、回答内容以外の面接のポイントについては👇で解説しています。
【就職面接が苦手な方必見】回答内容は無関係?面接官が見ている評価ポイントを解説
もちろん、緊張することもありましたが、事前に対策を立てたり、対処法を考えておいたりすることで乗り切りました。👇で解説しています。
【就活の面接で緊張しない方法】事前準備・対策、当日の対処法などについて解説
その後、私は無事内定をもらうことができました。
内定の連絡を受けた後、内定の書類を書きに行ったとき、その会社の面接官の方から、次のようなことを言われました。
「全ての質問に対して理路整然とした答えが返ってきたので、驚きました。それにしても、不思議ですね。あなたのような方が今まで採用されていなかったなんて。」
それを聞いたとき(もちろんリップサービスだろうとは思いましたが)、私はそれまでの苦労が全て報われた気がしました。
つらいことも多かったですが、今となっては(本当に今だからこそ言えますが)いい思い出です。
また、自己分析で自分の強みや弱みを理解できたこと、面接官に伝わることを意識して回答内容を作成したこと、メンタツで学んだ厳しい考え方などは、就職活動だけではなく、就職してからも役立ちました。
なお、自己分析などの面接対策が就職後も役立ったと私が感じたことは、👇の記事にまとめています。
自己分析、回答内容作成などの面接対策が就職後も役立ったと感じる3つのこと
就職活動は本当に大変だと思いますが、希望の会社から内定をもらえたときの喜びは大きいと思いますし、がんばったことはきっと今後の人生にもプラスになると思います。
私の経験が、少しでもそのお役に立てば、こんなに嬉しいことはありません。
まとめ
私がやったことをまとめると、次のとおりです。
- 「面接の達人」(メンタツ)を、理解できるまで、何度も読む
- 自分が今までやってきたことを、4万字を目標に、書けるだけ書き出してみる
- 2を読み返し、自分の価値観、傾向などについて考え、自分を知る
- 自己紹介を考える
- 志望動機を考える
- その他の想定される問題一つ一つに答えを考えていく
- 全て自己PRにつながるような具体例を入れる
- さらに、「具体的には?」の問いを最低3回重ねる
- 答えは全て「結論→根拠となる具体例(→場合によって再度結論)」で統一
- 友人にも見てもらい、意見をもらって、より良いものに仕上げていく
- 4~6を全て覚える
なお、自分1人でできることには限界があり、上でも少しお話ししましたが、周りの人の力を借りることは大切です。
私の場合も、友人に意見をもらったりして、それが最後の一押しとなって内定をもらうことができました。それについては、別の記事(👇)で解説しています。
【最後の一押し】就職活動で、友人や家族など、周りの人の力を借りることの大切さ
また、それでも難しい場合は、プロのコーチに相談してみるのも1つの方法です。それについては、別の記事(👇)で解説しています。
就職活動の自己分析などに活用したいキャリアコーチング【coachee】(コーチー)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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